SaaS、パッケージ、スクラッチ開発の違いを徹底解説|目的に沿ったシステム開発手法とは
2024.10.10
目次
システム開発時の選択が非常に重要
システムやソフトウェア開発の際、どのアプローチを選ぶべきかは非常に重要な決断です。
企業のニーズやリソース、将来の展望によって、主な開発手法として「SaaS」「パッケージ」「スクラッチ開発」の3つの選択肢があります。
それぞれの開発手法にメリットとデメリットがあり、最適な選択をするためには、これらの違いをしっかり理解する必要があります。
SaaS(Software as a Service)
メリット
デメリット
POINT
インターネット接続さえあれば迅速な導入が可能です。プロバイダーがすべてのメンテナンスを行うため、利用者は初期費用を抑えつつ手間をかけずに最新の機能を享受できます。また、ビジネスの成長に応じて柔軟にスケーリングできる点も大きな魅力です。
パッケージソフトウェア
メリット
デメリット
POINT
パッケージソフトは、導入が速く安定性があり、一定のカスタマイズが可能です。ライセンス費用を一度支払えば長期間使用できる点も魅力です。
スクラッチ開発
メリット
デメリット
POINT
スクラッチ開発は、完全にカスタマイズされたシステムを構築することができます。また、企業独自のニーズに合わせた競争優位性や、スケーラビリティおよびセキュリティの強化が可能です。
各開発手法の得意、不得意
SaaS、パッケージ、スクラッチ開発では、各々得意なポイントが異なります。下表では、システム導入時に検討すべき事項に対し、各開発手法に順位(1位~3位)をつけていますので、導入時のご参考としてみてください。
リスク回避策
どのソフトウェア開発アプローチを選択する場合でも、リスクを最小限に抑えるための対策が重要です。それぞれのアプローチに固有のリスクを認識し、適切に対応することで、運用時のトラブルや問題を未然に防ぐことができます。
SaaSのリスク回避策
- 信頼性の高いプロバイダーを選ぶ:セキュリティ対策やサービスの継続性を重視し、業界標準に準拠するプロバイダーを選びましょう。
- サービスレベル契約(SLA)の確認:サービスの稼働時間、サポート範囲、セキュリティ対応を明確に取り決めることで、リスクを低減します。
- インターネット接続の冗長化:信頼性の高いプロバイダーを利用し、回線の冗長化を図ることで、接続トラブルのリスクを低減します。
パッケージソフトのリスク回避策
- ベンダーのサポート体制を確認:長期的に安心して利用できるかどうか、ベンダーのサポート体制や将来のアップデート計画を確認します。
- カスタマイズの適用可能性を検証:自社の業務プロセスにどれだけ適合するかを詳細に検証し、必要なカスタマイズが可能かを確認します。
- 総所有コスト(TCO)を考慮:初期費用だけでなく、ライセンスコスト、メンテナンス費用、サポート費用を含めたコストを考慮し、予算管理を徹底します。
スクラッチ開発のリスク回避策
- 段階的な開発(アジャイル開発)の採用:アジャイル開発手法を取り入れ、リスクを分散しながら段階的にシステムを開発・リリースします。
- 技術的なリサーチとスキルアップ:新しい技術を採用する際には十分なリサーチとトレーニングを行い、チームのスキルを向上させます。
- 保守性と拡張性を考慮した設計:将来的な変更や機能追加に対応できる柔軟なシステム設計を行い、リスク管理とプロジェクトマネジメントを強化します。
まとめ
SaaS、パッケージソフトウェア、スクラッチ開発はそれぞれ異なる特性を持ち、企業のニーズに応じた選択が必要です。
迅速な導入と低コストを求めるならSaaS、一定のカスタマイズと安定性を重視するならパッケージソフトウェア、完全なカスタマイズと競争優位性を目指すならスクラッチ開発が適しています。
各アプローチのメリットとデメリットをしっかり把握し、ビジネスに最適なソリューションを選びましょう。